小児歯科
お子様の健やかな成長を願うすべての保護者の皆様へ
- 大切なお子様が、にこやかに笑う。
- 美味しそうにご飯を食べる。
- 元気いっぱいにおしゃべりをする。
そんな何気ない日常の風景は、保護者の皆様にとって何にも代えがたい宝物だと思います。
そのすべての瞬間に、お子様の「歯」が深く関わっていることを私たちは知っています。
だからこそ私たち医療法人社団優勢会は、お子様のお口の健康を守る「小児歯科」に特別な想いを持って取り組んでいます。
私たちの願い
私たちの願いは、歯科医院がお子様にとって「痛くて怖い場所」ではなく「お口がきれいになって気持ちのいい楽しい場所」になることです。
そして小児歯科の本当の目的は、ただ虫歯を治療することではありません。
お子様がこの先何十年と続く長い人生を、ご自身の歯で美味しく食事をし心からの笑顔で過ごすことができる。
そのための揺るぎない「土台」を、保護者の皆様と一緒に築き上げていくことだと考えています。
これはお子様の未来への最高のプレゼントです。
私たちも子育てを頑張る皆様の、一番の味方でありたいと願っています。
なぜ子どもの歯は特別なのでしょうか

お子様の歯の治療やケアは、大人のそれとは全く異なります。
なぜならお子様の歯、特に乳歯にはその時期にしかない非常に重要な役割があるからです。
乳歯という、かけがえのない存在
「乳歯はいずれ抜けるから、虫歯になっても大丈夫」
もしそのようにお考えの方がいらっしゃるとしたら、それは大きな誤解です。
乳歯は、お子様の健やかな成長にとって想像以上に大切な働きを担っています。
乳歯の役割 | 具体的な働き | 将来への影響 |
顎の成長を促進 | 食べ物をしっかりと噛む行為で、お口周りの筋肉や顎の骨が正しく発達 | 永久歯の歯並びに影響 |
永久歯のガイド役 | 永久歯が正しい位置へと生えてくるためのスペースを確保 | 歯並びの乱れを防止 |
正しい発音をサポート | 言葉を覚える時期の発音練習をサポート(特にサ行・タ行) | 言語発達への影響 |
乳歯の健康は、後から生えてくる永久歯の歯質や色、形そして歯並びまで、お子様の未来のお口の健康すべてに深く直接的に繋がっているのです。
デリケートで守るべき小さな歯
生まれたばかりの乳歯や、生えたての永久歯は大人の歯に比べてとてもデリケートです。
歯の表面を覆うエナメル質が薄く柔らかいため、虫歯菌が作り出す「酸」への抵抗力が弱いのです。
そのため一度虫歯になってしまうと、あっという間に進行してしまうという恐ろしい特徴があります。
大人の歯よりもずっと注意深く、そして手厚く守ってあげる必要があるのです。
虫歯は「うつる」病気です

生まれたばかりの赤ちゃんの、きれいなお口の中には実は虫歯菌は一匹もいません。
では、どこからやってくるのでしょうか。
そのほとんどは、お父様やお母様あるいはご祖父母様といった周りの大人の方々の唾液を介して感染します。
感染の経路
- 同じスプーンや箸で食べ物を与える
- 口移しをする
- キスをする
- その他の日常的なスキンシップ
これは決して保護者の皆様を責めるためのお話ではありません。
知っておいていただきたいのは「お子様の虫歯予防は、まずご家族全員のお口の健康から始まる」という大切な事実です。
ご家族皆様がご自身のお口のケアに関心を持つこと。
それがお子様を虫歯から守る、最も効果的で愛情に満ちた方法なのです。
お子様の歯を虫歯から断固として守るために
私たちは、お子様を虫歯にさせないための「予防」こそが小児歯科における最も重要な使命だと考えています。
「歯医者さんデビュー」は、いつがいい?

私たちは、お子様の「歯医者さんデビュー」は「最初の歯がこんにちはと顔を出したその時」が最高のタイミングだと考えています。
「痛くもないのに、行く必要なんてあるの?」と思われるかもしれません。
ですがこの「何も問題がない時」から通い始めることに、計り知れないほど大きな意味があるのです。
早期デビューのメリット
- 歯科医院という場所に慣れてもらうことができる
- 「歯医者さんはお口をきれいにしてもらう気持ちのいい場所なんだ」というポジティブな記憶を育める
- 「痛くて怖くて無理やり押さえつけられた」という辛い記憶を避けられる
- 生涯にわたって歯科医院から足が遠のくリスクを防げる
お子様がお口の健康を守るための、良き習慣を身につけるために。
最初の第一歩を私たちと一緒に楽しく、そして穏やかに踏み出しましょう。
当院が力を入れる、三つの予防策
お子様を虫歯から守るため、当院では以下の三つの予防策を柱としています。
①フッ素塗布―歯の鎧を強くする

フッ素には歯の質そのものを強くし、虫歯菌が作り出す酸に負けないようにする働きがあります。
またごく初期の虫歯(CO)であれば、歯の再石灰化を促し自然治癒を助ける効果も期待できます。
歯科医院で使用するフッ素は、市販の歯磨き粉に含まれるものよりも濃度が高くより高い予防効果を発揮します。
定期的に塗布することで、お子様の歯に虫歯菌と戦うための強力な「鎧」を着せてあげましょう。
②シーラント―奥歯の溝を、虫歯菌から守る

生えたばかりの奥歯、特に6歳頃に生えてくる最初の永久歯「6歳臼歯」は噛み合わせの面の溝がとても複雑で深く、歯ブラシの毛先が届きにくい形状をしています。
そのため食べかすが溜まりやすく、お子様の歯の中で最も虫歯になりやすい場所と言われています。
シーラントはその溝を、あらかじめフッ素を含んだ樹脂で埋めてしまうことで物理的に汚れが溜まるのを防ぐ予防処置です。
痛みは全くなく簡単に行える、非常に効果的な方法です。
③ブラッシング指導―毎日のケアを、親子で楽しく

虫歯予防の基本は、何と言っても毎日の歯磨きです。
私たちは、お子様の年齢や成長段階そして歯並びの状態に合わせて最適な歯ブラシの選び方や磨き方のコツを、歯科衛生士が丁寧に指導いたします。
また小学校中学年くらいまでは、お子様ご自身の歯磨きだけではどうしても磨き残しが出てしまいます。
保護者の皆様による「仕上げ磨き」が欠かせません。
よくあるお悩みへの対応
- 「嫌がってなかなかやらせてくれない」といったお悩みにも寄り添ってお応え
- お子様が楽しく歯磨きを受け入れてくれる工夫を一緒に考案
- 親子で楽しめる歯磨きの方法をアドバイス
お母様へ―ご自身のことも、大切にしてください
お子様のことばかりに気を取られ、ご自身のことは後回しになっていませんか。
特に新しい命を育んでいる妊娠中の期間は、お母様ご自身のお口の健康にも特別な注意が必要な時期です。
マタニティ歯科のススメ

妊娠すると、女性の体には様々な変化が起こります。
妊娠中の変化
- つわりで歯磨きが辛くなる
- 食の好みが変わる
- 女性ホルモンのバランスが大きく変化
これらの変化は実はお口の環境を悪化させ、虫歯や歯周病のリスクを著しく高めてしまうのです。
妊娠性歯周炎の危険性
特に注意が必要なのが「妊娠性歯周炎」です。
妊娠中に歯周病が悪化すると、その影響はお口の中だけに留まりません。
歯周病菌が作り出す炎症物質が血流に乗って子宮にまで達し、早産や低体重児出産のリスクを高めてしまうことが医学的に明らかになっています。
お母様のお口の健康は、お腹の中にいる大切な赤ちゃんの健康に直結しているのです。
歯科治療を受けるのに最も適しているのは、心身ともに安定する「妊娠中期(5~8ヶ月頃)」です。
もちろんレントゲン撮影や麻酔、お薬の処方が必要な場合もお腹の赤ちゃんへの安全性を最大限に考慮した上で、慎重に行いますのでどうぞご安心ください。
もし虫歯になってしまったら…
私たちがどれだけ予防に努めても、残念ながらお子様が虫歯になってしまうことはあります。
そんな時でも決してご自身を責めないでください。
大切なのは、これからどうするかです。
お子様の気持ちに寄り添う治療

私たちは、お子様が「歯医者さん嫌い」にならないようその気持ちにどこまでも寄り添います。
押さえつけたり無理やり治療したりするようなことは、決してありません。
Tell-Show-Do法
- まずは診療台に座る練習から
- 次はお口を開ける練習
- そして使う器具に触れてもらう
「Tell(話して聞かせ)」「Show(見せる)」「Do(やってみる)」というステップを、お子様のペースに合わせて根気強く、ゆっくりと進めていきます。
そしてもし治療を頑張ることができたら。
私たちはスタッフ全員で、その勇気を心から褒め称えます。
「できた!」という成功体験は、お子様の自信となり次の一歩へと繋がる大きな力になるはずです。
最後に
お子様のお口の健康は、保護者の皆様から贈ることができる最高のプレゼントの一つです。
私たちはそのかけがえのないプレゼントを贈るお手伝いをする、頼れるパートナーでありたいと願っています。
どんな小さな疑問や心配事でも、私たちにお聞かせください。
お子様とそしてご家族皆様の笑顔を、スタッフ一同心よりお待ちしております。