天然歯に勝る人工歯はありません。しかし、溶けたり削ったりすると歯は元には戻らず、治療しても失った部分を補うしかありません。歯への負荷は少ないほうがよいので、できるだけ歯の神経も健康な歯質も残し、残せる歯は可能なかぎり抜歯せずに治療します。

根管治療とは、一般的には「歯の神経を抜く処置」といわれています。歯の中の細い「根管」の内部から細菌に汚染された神経や歯質をきれいに除去し、根管内を洗浄・消毒したあと、薬剤をすき間なく埋める処置です。根管はとても細く複雑な形状ですが、内部に細菌を残してしまうと再発するので、高い精度が求められる治療です。

当院では、さまざまな器具を活用して、高品質な根管治療をご提供します。そのためには患者さまのご協力も欠かせません。細部にわたり根管の細菌除去を行うための通院回数は少なくありませんが、治療を終わらせなければ再発のリスクが高まり、抜歯が近づいてしまうからです。治療後も再発させないための定期的なメインテナンスにも積極的にご来院ください。

さらなるリスクが高い状態にまで悪化しているときには、まず患者さまに現状をご説明し、抜歯のご相談をいたします。そして抜歯後に、まわりの歯に悪影響を与えないように、インプラント治療を含めたさまざまな治療の選択肢からお選びいただくのです。丁寧なカウンセリングでご理解・ご納得いただいた治療を進めますのでご安心ください。

「脱灰」程度のごく初期段階を除き、虫歯は自然治癒しません。歯は削ってしまうと元には戻りませんので、治療で進行を止めたあと、詰め物や被せ物で補うしかありません。再発しやすい虫歯は、口腔ケアの意識を高めて未然に防ぐことが大切です。

虫歯予防の基本は毎日のブラッシングによるセルフケアです。そこに定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアを加えてください。定期検診でのメインテナンスは、予防に有効なだけでなく、たとえ虫歯を再発していても自覚症状があらわれる前ですので、早期発見・早期治療につながります。予防は治療よりも大切なのです。

高齢者がかかるイメージが強い歯周病ですが、日本の成人に広く蔓延していて、歯を失う原因は虫歯を抑えて第1位です。歯周病も虫歯と同様、細菌による感染症ですので、全身の免疫力が低下すると発症と進行のリスクが高まります。歯周病の正しい知識を得て、進行を防ぎましょう。

歯を支えるまわりの組織が破壊されていく歯周病は、初期段階であれば治癒が期待できますが、重度の歯周病はかなり複雑な治療を行わなければなりません。歯並びや咬み合わせに問題があったり、詰め物や被せ物が強く当たったりしていても、歯周病が悪化することがありますので、気になる方はお早めにご相談ください。精密な検査のうえ、患者さまにあう補綴物をご提案します。

歯を支える組織の破壊が進んだ重度の歯周病の治療は外科手術をともないます。まず、歯周ポケットの奥深くのプラーク（歯垢）や歯石を取り除かなければなりません。その際には、局所麻酔後、歯ぐきを切開して、歯根を露出させて汚れを取り除き、汚染が進んだ歯肉を除去してから縫合します。進行度合いによっては失った歯ぐきの再生療法や歯ぐきの移植が必要です。可能なかぎり保険診療で対応しますが、必要に応じて自費での診療・手術をおすすめすることもあります。